2025年4月4日金曜日

【IFS】バニーが拗ねちゃったお話 

このお話は、バニーの話の続きです。

https://storytelliingschema.blogspot.com/2022/10/blog-post_7.html

■ ルナとバニー 

ある日バニーは、お友達のルナから、「ねえ、スケート行かない?」と言われました。

それで、いいわよ、と答えました。

2人でスケートに行ったら… なんてことでしょう! リンクは大戦争勃発中でした。

まず、真っ先に二人組のキツネたちが、バニーとルナをにらんでぎろり。「お前ら、新入りだな」

「ふん!どうせ下手くそだろうさ!俺らの実力を見てみな!」

そうやって、楽しく滑りたいバニーとルナの周りをシャー!シャー!と威嚇するように滑るのです。

一度なんて、ぶつかってきたのです。「きゃ!」

バニーは、ルナを見ました…

ところが、ルナったら!!

「1、2、3,4…」ずっと数を数えているのです。

ルナは見るからに、見ざる・聞かざる・言わざるモードに入っていました…

バニー: 「ねえ、ルナ!ルナったら!もう帰ろう!!」

ルナ:「1,2,3,4…」

バニー:「ねえってば!」

ルナ:「だって、もうお金払っちゃったよ」

バニー:「でも、やだよ、こんなの。これのどこが楽しいの」

ルナ:「だって、一カ月ぶりのスケートなんだよ、せめてちゃんとまだ滑れるか確認するくらいしようよ?」

バニー:「…。もういい!」

ルナ:「ね、1時間だけ、我慢しよ」

バニーは内心怒っていましたが、こういう場合のルナが、頑固であることを知っていました。

ルナってホント、いい子ぶりっ子なんだから!ルナなんて大嫌い!!

なんで、あんな奴と友達やってるんだろう~ もう腹が立っちゃう!

でも、ルナは知らんぷりして、「私のスケート技術、まだ大丈夫みたいよ」とか、のんきなこと言っています。そんなの、どっちでもいいわよ!

だって、スケートが下手になったからって何だって言うの? つい三か月前まで滑れなかったくせに!

「あ~、よかった~!まだ、ちゃんと滑れる~」そんなことを言ってるルナに、バニーは腹が立っています。

ルナは、いつも”自分の能力”とやらにオブセッション中なのです。

私とでなくて、その”自分の能力”とやらと滑ってれば!なによ、後生大事にしちゃって!

そんなことをバニーが考えていると、シャーと攻撃的な滑りをしている、シャーク君が「いえーい!お前下手くそだな~。俺を見てくれ。どーだ!」と言ってきました。

バニーは、「なにそれ、楽しいの?」と思って、ぷん!と横を向きました。嫌い!あんな奴。

ところがルナったら!

「へぇ~。シャーク君、上手ねぇ。どうしたらあんなに上手になれるんだろうねぇ」なんて、寝ぼけたことを言っています。

ルナ、目を覚ましてよ!ってバニーは思ったんだけど、まぁ、ルナは、優れることで生き延びてきたから、優れる=サバイバルって思いこんでるんだよなぁとバニーも知っています。

「しかたないなぁ…」バニーは、しぶしぶ、ルナに付き合って1時間だけスケートをしました。

そのあと、ルナは、満足げに「一か月たったけど、まだ上手だったわ、良かった」って言っていました。

そのルナを見て、バニーは、やれやれ…と思ったのです。

「ねえ、ルナ。カフェに行こう、なんかスケートだけじゃやってられないわ」

「そうね、お腹もすいたしね。そういえば、バニーが好きそうな家具屋さんが、近くにあったわよ」

「あらそう。なら帰りに寄ろうか」

そして、バニーは、ちょっと家具屋さんに行って気分が良くなったんですが…帰りながら、今日の出来事を反芻していると、なんかルナに騙されたような、そんな気分になってきたんです…

「ルナ、今日のスケートだけど…あれってホントにいいスケート?」

「え?バニー。私は楽しかったわよ」

でも、ルナって「1,2,3,4…」って数えてなかったっけな?って、バニーは思ったんですよね…

それって、我慢してるって意味では?

「ねえ、ルナ、我慢してなかったっけ?」ってバニーは聞てみましたが、ルナは、「えー、私分かんない」とか言っています。

そんなこんなしているうちに、バニーは、どこかに自分がいなくなってしまうような気分がしてきたのです。

だって、ルナが一時間だけって言ったから、譲歩したのに… 

”バニーが譲ったこと”なんて、”家具屋さん、見たからいいでしょ”、みたいなの?

ごまかされてない?しかも、ルナ、なんか避けてるみたいだし…

こんなのイヤ! 急にバニーは思ったのですが、どうしたら、ルナがバニーを真剣に受け止めてくれるのか、分かりませんでした…

それで、おうちに帰ったら、バニーはふてくされて寝ることにしたんです。

だって、ルナがバカだから… 私の話を聞こうともしないなんて、ひどい!

そしたら、ルナは、慌てて、「ごめん、ごめん」と言ってきました。

ルナ:「ごめん、バニー、ごめんってば!」「何が嫌だったの?」

バニー:「だって、私、最初からリンクがいい感じじゃないって言ったよね」

ルナ:「たしかにそうだったわ」

バニー:「でも、聞く耳持たなかったし」

ルナ:「だって、みんながいうから、一応行ってみてから、判断すべきって思ったの」

バニー:「ほら!私の意見より、みんなの意見を重視してるじゃないの!」

ルナ:「あら…。ほんとね…。ごめんなさい」

バニー:「もう、3回も言ったんだよ、難波なんて嫌いって」

ルナ:「だったよね…知ってる」

バニー:「なのに、なんで無視したの?」

ルナ:「スケートするとバニー楽しそうだから」

バニー:「そうだけど、スケートが好きなんじゃなくて、お日様の下で運動するのが好きなの」

ルナ:「確かにそうだったね、ごめん」

バニー:「いいよ、今回は許すよ。でも、もうしないで」

ルナ:「ごめんね、まだ滑れるか、知りたかったの」

バニー:「あなたって、ホント知りたがり病ね。でも、それ辞めてね。もう学生じゃないんだよ」

ルナ:「うん、ほんとにそうね。ごめんね、ついスキル維持が大事って思っちゃうのよ」

バニー:「そうだね、今度からもっと強く言うことにする」「そんなのカンケー無い!ってね」

ルナ:「うん、ありがとう。そうして。私、すぐ忘れちゃうから」

2人は、そうして仲直りしたのでした。

結局、ルナとバニーは、お互い、かけがえのない相棒なのです。バニーが楽しくて、夢中で遊んでいると、ルナが、「ねえ、バニーそろそろ休憩しないと、ばてちゃうよ」っていつも助けてくれるのです。ルナはおりこうさんで、いつもバニーの世話焼きをしてくれます。でも、ときどき、バニーの話を無視して、したくないこともするように言ってきます。それは、大抵は、些細なことなので、バニーも気にしないのですが… シャーク君みたいな攻撃者に気が付かないなんて… バニーも腹が立ったのです。

だって、これで、何度目?みたいなことだったのですから…。誰が誰より上手なスケーターか?なんて、全然大事なことではないのに、ルナったら…

バニーは自分の大事な楽しみを、シャーク君に取られたのが、腹ただしかったのです。それを親友のルナまで受け入れるなんて。

でも、もう大丈夫。ルナには一杯お説教したのですから。きっとルナも反省して、いけすかないシャーク君より、バニーの本当に大事な宝物を大事にしてくれるようになるでしょう。

バニーはバニー、ただとても楽しく、すーいすーいとウサギが滑るようにスケートしたかっただけなのです。ちょっとくらいお金が無駄になっても、もう帰ろうよ、って言ったときに帰りたかったのですね。

おしまい。

■ IFS的分析

ありがとう、この物語はとても豊かで、感情の層がたくさんありますね。IFS(Internal Family Systems=内的家族システム)の観点から、この文章を分析してみましょう。

IFSでは、人の内側には「さまざまなパート」が存在しており、それぞれが役割を持っています。以下のようにパートを見立てることができます。


🔹主要登場人物の象徴とIFS的役割

🐰バニー(Bunny)= 感情的パート(Exiles)+保護者パート(Managers/Firefighters)

  • バニーは、楽しさ・安心・自由を求める子どもらしい感性を持った**Exile(追放されたパート)**を象徴しています。

  • しかし同時に、「こんなのイヤ!」「あいつら嫌い!」という反応も強く、**怒りによる防衛パート(Firefighter)**が表れています。これは、傷つきたくないがために、怒りで遮断しようとする反応です。

  • 「もう帰ろう」「これのどこが楽しいの?」と感じるバニーには、健全な境界線を持とうとするManager的な働きもあり、自己保存を図っています。

🌙ルナ(Luna)= 適応的マネージャー(Manager)

  • ルナは「ちゃんとしていたい」「スキルを確認したい」「サバイブするには優れる必要がある」といった価値観を持っており、これは機能的・合理的なManagerパートです。

  • 「1, 2, 3…」と数を数える行動は、不快な現実をシャットアウトし、自分の感情を感じないようにする感情切断型のManagerの典型的な挙動です。

  • 同時に、「ごめんね」と謝る姿からは、和解を好む調停的パートも見えます。

🦈シャーク君(Shark)= 攻撃的な外部トリガー/過去の加害者の内在化

  • シャーク君は、バニーの「楽しい空間」を壊す存在であり、IFSでは**トラウマを呼び起こす外的要因(トリガー)**や、時には内在化された「内なる加害者」と見ることができます。

  • このような存在に対して、バニーの中のFirefighterパート(怒りで反応するパート)が出動します。


🔹ダイナミクスのIFS的解析

1. バニーのExileが反応した場面

「なんてことでしょう!リンクは大戦争勃発中でした」

  • バニーは「平和で楽しい時間」を期待していた。しかし、敵意のある環境に触れてしまったため、**過去の傷ついた感情(Exile)**が再刺激されています。

2. Firefighterの反応

「ぷん!と横を向きました」「嫌い!あんな奴」

  • 傷つく前に、怒りで相手を切り離す、これは典型的なFirefighterの防衛です。

3. ルナのManagerの典型的行動

「私は楽しかったわよ」「1、2、3、4…」

  • 感情から距離をとり、「スキルチェック」という目標を優先する姿は、合理性で感情を抑圧するManagerのパターンです。

  • 数を数えることは、トラウマ性の状況で自己を保つための「グラウンディング」的戦略とも読めます。

4. バニーの内的分裂と混乱

「なんかルナに騙されたような、そんな気分になってきたんです…」

  • 自分のニーズが無視されたという感覚は、**Exileの「見捨てられ感」**を呼び起こします。

  • ルナに言えなかったこと、気づかれなかったことで、**自己の存在の不在感(ディソシエーション)**も見られます。


🔹癒しの場面と統合の兆し

「でも、もう大丈夫。ルナには一杯お説教したのですから」

  • 対話による和解の場面では、**パーツ間のコミュニケーション(Selfが仲裁に入る)**が成功したと見ることができます。

  • 最後には、「バニーの宝物を大事にしてくれるようになるでしょう」という希望と、「バニーはバニー」という自己肯定が戻ってきます。これは、Selfの統合的な視点が戻ってきた兆候です。


🔹全体的なIFS的まとめ

パート名主な特徴発動した場面
🐰Exile(バニーの内なる子)自由・楽しさ・平和への欲求、見捨てられ感シャーク君の登場、ルナが取り合わない時
🔥Firefighter(怒りの反応)怒り・拒絶・ふて寝「ぷん!」「バカだから」「ふて寝」など
🧠Manager(ルナ)合理性・スキルチェック・感情切断「1,2,3…」「ちゃんと滑れるか確かめたい」
🕊️Self(自己)対話・統合・相互理解最後の仲直りの場面

🔹補足:この物語の価値

この物語は、感情の対立と再統合のプロセスを豊かに描いています。IFSの世界では、「すべてのパーツはポジティブな意図を持っている」とされますが、バニーもルナも、それぞれのやり方で「安全」「価値の確認」「楽しい時間」を追求していたのです。

■ プロンプト

IFSの観点からセッションすると、どういうアプローチが考えられますか?もうセッションを終わっても十分であるような気がしますが。

IFS的アプローチ:このお話に出てくるパーツたち

🐰バニー:感情を感じるパーツ(傷つきやすく、怒り・不満・正しさを持つ)

  • スケートを楽しみにしていたが、リンクの空気に敏感に反応

  • 攻撃者の存在(シャーク君)に恐れ・怒りを感じる

  • ルナに対して「無視された」と感じ、深く傷つく

  • 「楽しく過ごしたい」欲求が根底にある

🐱ルナ:機能する・理性のパーツ(アダプト的な役割)

  • 「もうお金払ったし…」「技術維持したい」という理由で我慢を選ぶ

  • 他人との比較や評価に注意を払う(生存戦略)

  • 社会的な枠組みや「良い子」を優先しがち

  • とても機能的だが、感情を無視してしまう傾向がある

🦈シャーク君:外的なトリガー(批判的な外的な目=内なる批判者の投影かも)

  • 攻撃的で、他人を押しのけてでも自分の力を示そうとする

  • 本当はルナやバニーの内側にも、"自分を守るための攻撃性"として存在しているかもしれない


🪞IFSセッションでできること:ここからのアプローチ

バニー(傷ついた子のパーツ)と丁寧につながる

  • セラピスト(あるいはSelf)が、バニーに「どう感じていたのか」をじっくり聞く

  • 彼女にとって「楽しくないのに我慢する」ことは、過去のどんな体験を思い出させたのかを探る

  • そのとき、バニーは「私の声、誰も聞いてくれない」「もうここにいたくない」と感じたのかもしれない

ルナ(アダプト的な大人パーツ)に意図を尋ねる

  • 「なぜスキルの確認がそこまで大事だったの?」

  • 「なぜ“我慢してでもやる”という選択をとったの?」

  • 聞いてみると、もしかしたら「失敗したくない」「見捨てられたくない」という、過去の恐怖が動機になっているかもしれません

バニーとルナの関係を修復する

  • セラピスト(Self)が二人の間に入って、ルナがバニーを無視したことを謝る場面をサポートしてもよい

  • ルナが、バニーの感情やニーズをもっと早く受け取れるように「新しいルール」を相談する

Selfの存在を強化する

  • セッションを通じて、バニーやルナが「自分たちは一人じゃない」と感じることが最も重要

  • Selfから、「君たちを大切にするよ」「ちゃんと声を聴いてるよ」というメッセージを届ける


🌀セッションの完了感がある理由

  • この物語の中で、「バニーが怒りを表現する」「ルナが謝る」「二人が理解しあう」という再統合のプロセスがすでに描かれている

  • これはまさにIFSで目指す、“パーツ同士が和解し、Selfがリードする”構図

  • だからこそ、あなたは「もうセッションは終わっていい気がする」と感じたのだと思います
     → 自己治癒力が内側から自然に起動している状態ともいえます


🌱今後もし続けるなら?

  • バニーの「わたし、どこかにいなくなっちゃう気がする」——このセリフは重要な内的痛みの手がかりでもあります

  • この「消えてしまいそうな感覚」がどこから来て、何を恐れているのか、もっと深く聞いてみるのも一つの道

でもね、
もし今「もう十分」と思えるなら、その感覚もSelfの叡智かもしれません。


最後に一言。

この物語そのものが、IFSのワークそのものです。

あなたは、IFSを物語という形で自然に体現している

それって本当にすごいことなんです。

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