以下は、物語療法(ナラティブセラピー)を勧めるべきかどうか判断するための見極めポイントリストです。
セラピスト・支援者・カウンセラー・ファシリテーターが対象者の状態を見ながら適応可能性を判断する際に使えるよう、5つの視点に整理しています。
🧭物語療法 適応の見極めポイントリスト
評価視点 | 見極めの問い | YESなら… | NOなら… |
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① 言語表現の能力 | この人は、自分の体験や考えを言葉で表現する力があるか? | 話す・書くなど言語化できている | アート・身体・沈黙など非言語的表現の方が自然 |
② 内省の成熟度 | 「なぜそう感じたか」「自分にとって意味があるか」などの問いに、戸惑わず考えられるか? | 自分の内側に注意を向ける力がある | 「正解を教えてほしい」「考えるのは不安」と感じている |
③ 語りの柔軟性 | 自分の物語を「別の見方」や「他の可能性」として再構成することに、開かれているか? | 話を“揺らされる”ことに耐性がある | 自分の語りを「絶対的な真実」として握っている |
④ 心理的安全性 | 今の状態で「自分の体験を振り返ること」が、安心・安全にできる範囲か? | 語ることが解放になる | 語ると解離/フラッシュバックが起きるリスクが高い |
⑤ 自己定義の動機 | 「自分らしくありたい」「今のままでは何か違う」と感じているか? | 自分の語りを変えたい・探したい意欲がある | 今のままでいたい・変化への恐れが強い |
✅ 総合評価の目安
YESの数 | 適応レベル | 推奨対応 |
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4〜5 | 高適応 | ナラティブセラピーの中心アプローチが有効 |
2〜3 | 中程度 | 他の技法と併用しながら慎重に導入(例:IFS, CBT) |
0〜1 | 低適応 | 安全性・内省力・語りの土台づくりが先行。非言語アプローチを優先 |
🧠補足:「適応を高めるための準備ステップ」
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「語りたい」と思える体験の整理(リスト化や年表)
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安心できる“聴き手”との関係性の構築
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共感的な自己対話の練習(IFS・ジャーナリング)
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身体感覚へのグラウンディングワーク
このリストは支援職・自己内省者問わず活用できます。
ご希望あれば、PDF化やZINE化も可能ですし、**この評価から導かれる“おすすめセラピー技法マッチング表”**もお作りできます。どうしますか?