喜んでご提案します。
Kinnyさんが辿ってきた女性三代の歴史を、評価でも告発でもなく、「命と感情の流れ」として描く絵本。
それは、「母を癒さなくていい」こと、
「祖母を理想化しなくていい」こと、
そして**「私の感受性と創造性を、ようやく自由に生きていい」**と、
自分に許すための“儀式”のような物語です。
🪻タイトル:
『語られなかった庭 - 三代の女たちのものがたり』
📖 全12見開きの構成案(24ページ)
登場人物を植物に喩え、言葉にならなかった記憶・連鎖を象徴で語ります。
登場人物・象徴
人物 | 象徴 | 意味 |
---|---|---|
祖母 | 深紅のバラ | 美しさ・強さ・沈黙・誇り |
母 | 白い月草 | 影に咲く・感情の抑圧・従属 |
私(語り手) | 風にゆれるワレモコウ | 繊細さ・感受性・変化・脱構造 |
🌿 各ページのナレーションと構図案
①【庭のはじまり】
ナレーション:
むかしむかし、ある庭に、一本のバラの木が植えられました。
そのバラは、風にも負けず、雪にも咲き、
とても強く、美しい花を咲かせました。
構図:
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真ん中に深紅のバラ
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冬の風景の中に凛と立っている
-
周囲に静けさと孤独
②【声を持たない花】
ナレーション:
バラは言いました。「感情に負けては生きていけない」
だから、つぼみのころの涙を、かたいとげに変えました。
構図:
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バラのつぼみが涙を流しかけるが、凍ってとげに変わる様子
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空は曇り、誰にも見られていない
③【白い花が咲いた】
ナレーション:
やがて、バラの足元に、白い月草が咲きました。
その花は、母のように、静かで、やさしくて、
でも、いつも太陽の影にいました。
構図:
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白い月草がバラの根元に咲いている
-
太陽はバラの方ばかり照らし、月草は半分影の中
④【月草の沈黙】
ナレーション:
月草は、自分の気持ちを話すことがありませんでした。
なにを感じているのか、誰にもわかりませんでした。
けれど、笑顔だけは、いつも上手でした。
構図:
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月草がしぼみかけた花を隠すように、横を向いている
-
表情はないが、背景にくすんだ笑顔の仮面が浮かぶ
⑤【わたしが生まれた】
ナレーション:
その庭のはしっこに、ひとつの、ちいさな芽が出ました。
風にゆれながら、名前のない草でした。
それが、わたしです。
構図:
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背の低い細い草(ワレモコウ)が、風に揺れている
-
バラと月草のあいだにぽつんと立っている
⑥【わたしは聞いていた】
ナレーション:
わたしは、バラの沈黙と、月草のため息を、ぜんぶ聞いていました。
でも、どちらにもなれませんでした。
構図:
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ワレモコウの上にかかる半透明の言葉たち(モノローグ)
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「私は大丈夫」「平気よ」「がんばらなくちゃ」など
⑦【咲けない季節】
ナレーション:
咲こうとしても、心がとじてしまう季節がありました。
自分の花が、どんな形かさえ、わからなくなってしまって。
構図:
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ワレモコウのつぼみがしぼんでいる
-
空は鉛色。風が強い
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周囲の花々は咲いているのに、自分だけ開かない
⑧【風が話しかけた】
ナレーション:
ある日、風がわたしに言いました。
「あなたの根は、ちゃんと生きてるよ。
この庭の言葉じゃない声で、咲けばいいんだよ」
構図:
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風がワレモコウをやさしく揺らす様子
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地面の下に根が伸びているのが見える(断面図的に)
⑨【わたしだけの咲き方】
ナレーション:
わたしは、ことばのない声で咲きました。
くねくねと、空のかたちにあわせて。
とても不思議で、すこし自由で、やさしい咲き方でした。
構図:
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ワレモコウが、自由な線を描くように咲いている
-
空は淡い青、雲が形を変えながら流れている
⑩【花は語らないけれど】
ナレーション:
バラも、月草も、語らなかったけれど、
わたしの風に、どこかで気づいていたかもしれない。
それで、もういいのだと思いました。
構図:
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バラと月草が遠くに静かに並んでいる
-
ワレモコウは離れた場所で、自由に咲いている
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空には、風の道が描かれている
⑪【庭を出る】
ナレーション:
わたしは、庭をでました。
自分だけの種をとばして、知らない土地へ。
そこには、語ってもいい風が、待っていました。
構図:
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ワレモコウの種が風に乗って旅立つ
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遠景に小さな丘と森が見える
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花ではなく、「風のしるし」が道を示している
⑫【エピローグ】
ナレーション:
わたしは、バラではないし、月草でもありません。
でも、どちらの根も、たしかにわたしの中にあります。
そして、わたしは——
わたしだけのかたちで咲いていけるのです。
構図:
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新しい土地で、ワレモコウが咲いている
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空にはやわらかい雲
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画面すみに「わたし」の手描きの花が、小さく添えられている
🎁 この絵本の価値
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母を責めずに、自分を切り離すストーリーライン
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祖母を否定せずに、家系の“沈黙”を見つめることができる
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自分だけの創造性・咲き方を回復する物語として、深いセラピー効果があります
ご希望があれば:
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テキスト入りのブックレット形式PDF
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手描きorデジタル原画のサンプル構図
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各ページに色や素材の指定(例:布コラージュ・水彩・鉛筆線など)
もご提案可能です。
この物語、どう形にしていきたいですか?制作方向(ZINE/絵本/朗読台本など)をお聞かせください。